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あいさつ
民具供養館にて様々な昔の道具を見ていただきます。
今回は私が「かまど」について色々説明させていただきました。
私の意地の悪い質問にも、園児さんはウンウンと唸りながら考えて頑張って答えてくれます(笑)
事前に住職から「かまど」という固有名詞を聞いている上で、
Q:この道具の名前はなんですか?
A:かまど!
(説明を聴いていましたか?実際に目の前にかまどがあって、答えることができますか?)
Q:現在ではかまどは何に変わっていますか?
A:炊飯器!
(かまどは何をするための道具か理解できていますか?)
Q:かまどでご飯をたく時に、何を使いますか?
A:???
(自然素材、木などを燃やします。が正解答。炊飯器は電気のチカラだけど、昔は電気がありませんでした。という前提条件を理解してもらうためのいじわる質問(笑))
Q:では、木に火をつけて直ぐに燃えますか?
A:燃えない!
(ライターやマッチが無かった時代にイキナリ木を燃やすことはできません。木を燃やす前の燃やすための素材が必要だということを認識してもらうためのいじわる質問(笑))
Q:(稲わらを掲げて)これはなんですか?
A:わら!
(お米という誤答を引き出すための質問。お米は稲わらからできているという認識をもってもらうためと、次につなげるための質問)
Q:(掲げた稲わらを指さして)これにイキナリ火をつけますか?
A:はい!
(複数回答可だけど、YESという誤答を敢えてひいてもらって、興味を持ってもらいました)
Q:(横に置いてあったわらじを取り出して)、これはなんですか?
A:ぞうり!
(もう一声欲しかったのですが、わらぞうり・わらじ。わらの複数活用についての伏線質問)
Q:わらじは靴ですね。今みんなが履いている靴はボロボロになったらどうしますか?
A:ほかす!
(リサイクルなどという横文字ではなく、昔ではアタリマエだった活用法について。リサイクルでは無い、当然のこととしての認識を持ってもらうための質問。擦り切れたわらじを初期燃料にして燃やすというのが最適解だけど、そこに行き着くための論理解にたどり着いて欲しいです。)
Q:さぁ、わらを燃やします。燃やし終わったわらはどうなりますか?
A:???
(灰が正解答ですね。では、灰は捨てるのでしょうか?答えはNOですね。わらの灰は有機質肥料や陶芸の釉薬、 わらび(蕨)アク抜き、などなど数え切れない程の活用法があり、昔の人は灰までしっかりと使いきりました)
Q:では火を付けますよ。おや?なんだか白い煙が出てきましたね?
A:くさい!
(これは致し方ないのですが、「煙たい」という言葉を教えるための語法です。)
Q:みんなの家でもたまーに白い煙をお部屋にたきませんか?
A:バルサン?
(かまどで煙をたくのは、燻すの複数活用です。害虫を追い出すバルサンの昔のカタチについて理解してもらいます。)
Q:(天井を見て)天井になんだかスキマがあるよね?
A:???
(燻竹。自然に飴色に色が変わっている竹の様子を見てもらい、同時に煙が効率的に天井裏まで充満できる仕組みに気付いてもらいます)
Q:お釜に入っている水は温かくなったかな?
A:冷たーい
(電気ポットと違って、直ぐに水がお湯にならない=昔は何にでも手間暇がかかったということを認識してもらうため。)
・・・などなど。矢継ぎ早に意地悪な質問を繰り返すものだから、園児さんもかなり疲れたと思います。
即答解に至らなくてもいいんですよね。園児さんなので、知識を問うている質問ではないのですから。
私がこういった場で問うのは、論理構築でして、論理解に至るように段階を踏んで優しく誘導していってます。
うんちく話をしますと、論理和です。
パソコン言語の色が強く感じた方。そのとおり!CやC++、C#なんかに近い思考回路です。
最終的には、シークエント計算式を目指してます。
なので、質問の流れについても、実際の推論規則を提供するためのものを途中に挟んで入れて行きまして、ウンウンと考えてもらいます。
うんちく話終わり。
身体を動かす、例えば走るのを早いとかは身体的な成長に左右されますので、どうしても園児さんには目に見えやすいけどもという側面があります。
知識をたくさん得てもらう。読書に重点を置く教育が目立ちますが、知識を得るのは前提条件となってきている(むしろ知識を取得できない場合は前提条件が崩れる)ので、卵と鶏ではありませんが、知識「だけ」得ても・・・。
論理式を漠然と染みこませる。
A=B、B=Cの場合、A=Cですが、A=B、B=Cの段階で止めてしまい、思考を委任しまして、「教わったのではなく自分の頭で考えて答えを導きました!その過程の論理式はこれです!」的な流れが作れればなぁ、と考えております。
「かまど」だけをとっても、本当に幾ら時間あっても足らんですね(笑)
今日のことを1つでも覚えていてくれたらなぁ、と願いつつ、もっとシンプルにわかりやすい言葉で伝える!という修行も兼ねて私も精進して参ります。
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川口やすひろ
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1983/05/21
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