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講義をされる田原広史先生
テーマは「自治会・町内会の現状」という内容でした。
参考:シェラトン都での講演時の資料
① 東大阪市における自治会
・ 第一回目の講義において「あの自治会長さんが居なくなったらどうするんだろう・・・」
・ 担当者が居なくなったあとの、連続性・継続性を考慮した自治組織創り
・ 市⇔自治協議会(90人)⇔連合自治会(45校区)⇔自治会(392人)⇔会員(18万世帯・40万人)という、リレー方式
∟メリット:文書配布等のコストを削減できる、認知度が高まる、調査回収の確実性
∟デメリット:やりとりに時間がかかる、役員負担がデカイ
・ 加入率
・ 組織の完成度と安定性
・ 関わる者の資質に依存
∟会長が誰になっても向上していける自治会
∟住民よりも市民比率の多い役員構成
∟自治会加入率100%
(理想)
・ 下部組織(女性部・こども会・老人会・・・・・)
・ 関連団体(福祉・民生等各委員会)
・ 委託事業(献血、愛ガード、公民分館運営、留守家庭児童育成クラブ)
・ 留守家庭育成児童クラブは年間予算1000万円超え
∟委託料・1人×5000円など
∟ちなみに連合自治会の年間予算は400万
∟母体を超える事業展開状態になっている
∟実際に問題例もあった
・ 年間行事の運営
∟連合自治会長だと月に4~5回の会合。週1状態
∟自治会長だと年30回ほどの会合。会合だらけ。
② 自治会と行政
・ 委託事業が多い
∟教育、文化:愛ガード運動、地域教育協議会、ちびっ子クラブ、公民分館活動、施設開放
∟危機管理、防災、防犯:自主防災組織化、防災講演会、防災訓練の実施
∟環境:ごみ減量運動、ごみ分別収集、環境家計簿
∟福祉:福祉委員会、災害時要救護者対策、日赤募金活動
∟自治活動支援:自治会組織運営、防犯灯設置維持管理、文書配布委託、表彰者等の推薦
∟選挙事務:投票所の管理、選挙立会人の推薦、立会実施
∟その他:各種情報伝達、ポスターやビラの掲示・回覧、まちづくり政策推進への協力
・ 行政→自治会への依頼が多い=行政からの一方通行
・ 自治会主体の事業が無い(裏返せば補助金事業のみの実施)
・ 新しい公共の理念には程遠い
③ 自治会活動における意識調査の結果
・ 調査結果は5ページ以降
・ 負担となっている委託事業は、①募金②愛ガード③ごみ減量
・ 自治会とリージョンセンターの連携が不十分
∟リージョンと校区の区割り問題が根強く残っている結果
④ まとめ
・ 自治会は必要不可欠である
・ 社会的期待も高まり、社会的責任も高まっている
・ 特定かつ少数の人間に負担が掛かっている
∟改革すればするほど、後継が育たない
・ 委託についても、留守家庭育成児童クラブ等に見られる、委託料問題や、公正・公平な委託の実現が難しい
・ 市役所は低姿勢→市役所の言うとおり(お願い通り)になってしまっている
・ 自治会は高姿勢→だけど市役所の言われるままにやらされている
川口私見:行政から自治会へ一方通行的に伝達、委託する方式は住民の自立意識を阻害している可能性が極めて高いと感じる。特に、住民ばかりが増えてしまい、市民が育つ自治会になれない。
自ら発意し、工夫し、実行し、繋げていくカタチが新しい公共とするのならば、現状の一方通行から双方向性を持った議論が欠かせない。
自治会は助成金や補助金に依存し、行政の言いなりであり。
行政は低姿勢ながらも、助成してやってるんだから言うことを聞けと腹の中。
そんな構図が目に浮かぶ。
そんなしょーもないことはさておいて。
新しい公共にシフトするには、自治会改革が前提になってしまうので、まずここから総意意識調査してから協働のまちづくり部を作るべきではなかったのか?と思う。というか、改革を極端に拒む組織に対して、「これからはこうなっていくのだから、これこれこういうふうにしていきましょう」とかオカシイのではないだろうか。
今までは委託委託で丸投げしておいて、という声は無かったのだろうか?
甚だ不思議である。
同時に、封建的に運営されてきた東大阪市の伝統と歴史ある自治会組織に、「封建制度廃止!これからは話し合いと議論でしっかりと共に運営して行きましょう!」と声をかけて実行していくのもどうかと思う。この行政、自治会双方の乖離を超える橋が無ければ、議論のテーブルにもつけやしない。
行政、自治会双方の立場を考え、中立的に動ける第三者機関を養成するべきだとは思うのだが、それが昨日も述べたオンブズマンだと私は考える。
独立した調査権を持ち、行政、自治会双方にとっての抑止機関でもある。
自治会=キツイ、シンドイというイメージ先行も、委託事業の姿にあるのではないだろうか。
そして、その年間委託料は言うまでもなく税金である。
これからの「新しい公共」を論じる前にやるべきことがたくさんあるのでは・・・と言う気がしてならない。
そういう意味では本講義はとても有意義なものだった。
□ 地域の教育文化活動
講義される、弘本由香里先生
テーマは「地域の教育文化活動」
・ 地域共同体と暮らしの変容
∟村落共同体→産業社会→成熟社会
∟行政の力が無い時代→行政の力が強い時代→行政の力をアテにできない時代
・ 自助自立へ
・ 統治から共治の時代へ
・ 各地で広まっている、地域自治の取り組み
・ 大阪市では・・・補助金の一元化と、地域活動協議会の推進
・ PDCA評価の導入
・ 一生懸命頑張ってきた地域程、動揺が走る
・ 形骸化自治会は、改革のチャンスと捉える
・ 課題の顕在化と課題解決への留意
∟地域の暮らしを支える担い手や、その在り方をどうとらえるか?
∟個々の地域特性をどのように捉え、活かしていくか?
∟地域の多様性、持続性をいかにして担保していくか?
∟数字であらわせないもの、見えないものの価値をいかにして尊重していくか?
・ ソーシャルキャピタル
・ 社会関係資本の活用と、適材適所
・ 上町台地の取り組み
∟U-CoRoプロジェクト
∟U-CoRo概要
・ 地域を包み込むような、活動と取り組み
川口私見:U-CoRoプロジェクトを見るに、企業とまちが一体となって、市民を包み込むような体制を感じた。
行政がやり切れないことを地域が自主的に実行しており、相互補完しあっている。これが新しい公共の姿であるとするのならば、相互補完するための欠けている部分に正当性と公平性が無ければならない。(意図的に欠けている部分を補完しあっている談合自治ではないという意味で)
一度、上町台地の視察もしなければなりません。早速予定を段取りしたいと思います。
出来れば、市民満足度調査結果が欲しいところですね!期待値との差を見たいです。
第三回講義総括:実践的教養と題しているだけあって、昨日に引き続き素晴らしい講義だった。
まさに実践的教養。これをどのように解釈するかは別として(そもそも東大阪市では新しい公共に移行するかどうかも未定ですし)、新しい公共にシフトする段階を想定したまちづくりの予習は、既に実行している地域(未来政治塾や東海大志塾の絡みで言えば、滋賀県や愛知県名古屋など)で大いに発揮できると期待される。
特に滋賀県は先進県なので、今度の未来政治塾では新しい公共について塾生の皆さんに聞いてみたいと思う。
次回も楽しみ!
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