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 □ 社会福祉法人の理事を1年務めた経験から気付いたこと     


この3月末で社会福祉法人の理事をオリまして、評議員として残ることにしました。
平成24年度の1年間、社会福祉法人(精神障害系)の理事を務めたことから気付いたことを、レポートとして書き留めたいと思います。



拍手[3回]


+ + + + + + + + + +
 □ 社会福祉法人とは      

社会福祉法人(しゃかいふくしほうじん)とは、社会福祉事業を行うことを目的として、社会福祉法の定めるところにより設立された社会福祉法第22条で定義される法人をいう。法人税上では公益法人等にあたる。

障害者や高齢者などを対象とした各種福祉施設や保育園、さらには病院や診療所などの医療機関の運営主体となる。また介護福祉士や保育士を養成する専修学校を運営している法人も存在し、同一法人内の福祉施設との連携を特徴としていることがある。



ウィキペディアより



社会福祉法人は国家が運営していたけれど、民間に任せますよと言ったカタチで福祉事業を一定範囲内で委託しているものであると認識しておりました。今で言うと国鉄がJRになったり電電公社がNTTになったりと言う具合かと。



公益性が高いので、国から補助金が降りてきます。もちろんながら財源は税金や健康保険料、介護保険料からです。
補助金は利用者数に応じて額面が決まります。
1施設の平米に応じて、何人まで受け入れ可能かが法律で決まっておりますので、どこの施設もできるだけ満杯まで利用者を受け入れるように努力します。
そこで、パイの奪い合いみたいなことも発生しております。



また、利用者を受け入れて人数だけ満杯にしておくけど、実態はどうなの?という問題も発生します。利用者満足度よりも利用者数確保に躍起になってしまいがち。これは制度上に問題があると思います。



私が務めた社会福祉法人は利用者数約55名。
年間補助金総額でも数千万円。
職員数が20名ほど。9割以上がパートタイマーでした。



<気づいた点>

 ・ 社会福祉法人には国から補助金が出る
 ・ 補助金は利用者数の一定基準に基づく






 □ 職員について     

社会福祉法人の職員の給与はとても低く、労働量に対する賃金の比率が低いと考えます。
パートタイマー職員は平成24年度の大阪府最低賃金が大半でして、月収ベースで考えても128,000円。13万円に届きません。
北欧では、社会福祉法人の職員給与水準は月収ベースで30万~40万はあります。
この原因としては、補助金額が足りない訳ではないと思います。
法人運営における、「経営学」認識の理事数に問題があると考えました。



また、自前で土地建物を持っている社会福祉法人であれば、補助金をフルで職員や利用者に配分できるのですが、借地借家の場合はその月間維持費がバカにならないレベルでのしかかってきます。



Q1.社会福祉法人の税務上のメリットはどのようなものがあるでしょうか。

A1.当然ですが、収益事業から生じた所得以外の所得は非課税であること、収益事業から生じた所得についても、税率は22%であり、普通法人の30%(資本金1億円で所得800万円以下は22%)に比して低率となっています。しかも、収益事業から生じた所得は収益事業以外の事業に支出されることになりますが、これは寄付金とみなされ、当該事業年度の所得金額の100分の50を乗じて算出した金額の範囲内で損金算入が認めらています(200万円に満たなければ、200万円)。なお、民法上の公益法人は、100分の20を乗じて算出した金額の範囲内でしか損金算入が認めらていません。
相続税ですが、遺言状がなくても、相続人が相続財産を相続税の申告期限内に社会福祉法人に寄付すれば当該相続財産は相続財産の基礎に算入されずに、非課税となります。

また、社会福祉事業の用に供する建物の所有権の取得にかかる登記又は当該事業の用に供する土地の権利の取得に関する登記にかかる登録免許税が課せられません。ただし、登記にかかる不動産が社会福祉法人の社会福祉事業の用に供することを証明する必要があります。

地方税についても、収益事業以外からの所得については、事業税、都道府県民税、市町村民税は課せられません。収益事業についても、収益の90%以上を社会福祉事業の経営に充当するならば、都道府県民税、市町村民税は課せられません。
固定資産税、都市計画税、社会福祉法人の社会福祉事業の用に供する固定資産については課せられません。
また、不動産取得税はについても、社会福祉事業を経営する者が、その施設に供する不動産を取得した場合には課税されません



社会福祉法人会計・税務・監査 Q&Aより



また、利用者数に応じて職員の定数確保が必須であり、これを満たさないと減算と言いまして、補助金が一定割合カットされます。
これが極めて厄介でして、常に一定数以上の職員を確保しておかなければならず、職員給与水準低下に拍車をかけていました。
利用者数は変動しますので、利用者が増えたら職員も増やさなければならないですし、利用者が減れば職員も減らさなければなりません。



また、職員を増やした場合はOJT(On-the-Job Training:企業内研修)を実施し、一般的な企業常識から専門的な知識まで幅広く職員教育せねばならず、これにもコストがかかります。
上記に示した、低給与水準ですので、職員の入れ替わりも激しいです。
その都度、職員教育を課さなければならないのですが、中小の社会福祉法人の場合はその段階をすっ飛ばしてしまいます。



私が気付いたのは、農協の新人時代に徹底的に一般的な企業常識を教えて戴けていたのだなぁという感謝の気持ちです。OJTが充実した会社で良い新人教育を受けさせてもらったことに感謝しました。



苦慮したのは人材確保でした。
月収ベースで13万円を切ってきますので、社会福祉の専門学校や大学を出た人が応募してくることは皆無。
自然と経験なしで募集するしかなくなりますが、経験なしの場合OJTをしっかりとやっておかないととんでもないことになることもあります。



また、サービス管理責任者や管理者といった管理職待遇の職員の場合は、経験年数や実績が問われまして、この人材確保にも大変苦慮しました。




<気付いた点>

 ・ 利用者数に応じた職員数を確保しないと補助金カットがある
 ・ 社会福祉は専門性が高く、低給与水準であれば人材確保が難しい
 ・ 管理職待遇職員の確保が難しい(数が少ない)





 □ 行政対応      


これが最も疑問を感じたところです。
社会福祉法人には毎年監査が入るのですが、その時に指摘した事項を事後監査する仕組みが無いように見受けられました。
従って、指摘した翌年に同様の指摘が羅列されており、毎年同じ指摘が続いているという状態に対する、行政対応も大甘でした。中には「あいつら(東大阪市)は社会福祉法人を潰せないから」という声も出まして、政治に携わる者として大いに驚かされました。



私も頻繁に東大阪市役所8階の障がい者支援室や法人指導課に出向いて、行政の指導を仰いだり、障がい者の支援についてさらなるバックアップを要請し続けました。
法人指導に関しての結論は、指摘はするけどお咎めなし。ということでした。
障がい者支援に関しての結論は、検討するけどそっちでやって。ということでした。



法人指導だけど指導せず、障がい者支援だけど具体的な支援せず、ではとてもではありませんが納得が行きません。2~3年で部署異動するんだから、できるだけ波風立てたくないんです的な発言にはかなり苦慮し、悩みました。



よい緊張関係も必要であり、監査指摘事項の改善については指摘しぱなっしで放置するのではなく、具体的な改善策を共に協議して実現していかなければなりません。
利用者支援が最大の目的であり、利用者の豊かさと幸せが社会福祉です。
原点を見つめ、いかにすれば利用者の福祉足りえるかを考えて戴きたいという提言を幾度と無くさせて戴きました。



<気付いた点>

 ・ 社会福祉法人監査は指摘するだけでその後が続かない
 ・ 社会福祉法人の運営適正化に向けて行政指導は仰げなかった
 ・ 障がい者支援の具体的な内容までは戴けなかった



これら気付いた点については、市政を目指す者として早急に在り方を変えてい無かければならないと強い危惧を持っております。






 □ 経営      


言うまでもないのですが、社会福祉法人理事は法人経営でして、経営者の観点が必要です。
同時に、利用者満足度を高める視点も求められます。



従って、経営に特化した理事と、利用者視点に特化した理事の双方が必要であり、議論を交わして法人運営を行なっていかなければなりません。
私も出が法学部政治学科で、憲法学専攻。しかし関西大学は校門から右に行くと経済学部、左の坂を登ると法学部でして、意外と距離が近く、また同級生に経済学部生が居たこともあり、経済学部の講義にも顔をだしたりしておりました。



とは言っても齧った程度でしたので、私自身は経営に関しても、利用者視点に関しても未熟でありました。
メインは法規でしたので、規程や規則系統の整備をメインに行なっておりました。



社会福祉法人の規程や規則も古いもののままだったり、監査で指摘を受けていたりとありましたので、それらの整備に取り組んだ1年だったと思います。
社労士的な仕事が多かったです。



傍らで、経営や利用者支援についても学ばせて戴きました。
この経験は大きかったと思います。



就業規則に関することや、育児休暇規程に関することなどはとても勉強になりました。
日本の育児休暇取得率が極めて低い原因の一端であるとの実感も持てました。
政治面で幾らギャーギャー街宣で述べても、いざ実際の企業の規程整備については「?」となる議員も多いでしょう。
それをしっかりと述べることができ、育児休暇取得について述べることができるようになったのは大きかったです。



また、規程を整備してもそれの周知徹底や守らせることのほうが大事であるとも。
条例を何本作っても、守ってもらわなければただの紙切れです。いかにして守ってもらうようにするか?どうすれば守るようになるのか?を考え、実践するよい機会となりました。



<気付いた点>

 ・ 育児休暇取得の困難さと、規程整備の遅れ
 ・ 規則を作っても守らなければただの紙
 ・ いかにして守ってもらうか?が大事
 ・ 経営理事と、利用者理事の双方の議論が無ければダメ






 □ 総論      


1年間理事として務めたことから、社会福祉法人の問題点を浮き彫りにすることができました。
行政サイドの問題点。
法人サイドの問題点。
双方の問題点。
制度上の問題点。
仕組みの問題点。
補助金の問題点。



これらを一つ一つどのようにしていくべきなのか?どうすればもっと豊かに幸せに福祉を実現できるのか?を議論していき、実現していくステップに来ていると思います。
社会福祉法人に関する多くの問題点については、オリをみてしっかりとWeb上でまとめて公開したいと考えております。




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無題
>従って、指摘した翌年に同様の指摘が羅列されており、毎年同じ指摘が続いているという状態に対する、行政対応も大甘でした。

違うでしょ。
指摘されたことを何も直そうと努力すらしてないってことじゃない。
行政じゃなくそちらさんに問題があるんでしょ。
おたく話すり替えてるよ。
岸本信勝 2013/04/12(Fri) 編集
コメントありがとうございます
コメント、ありがとうございます。

平成24年度に関しては、平成23年度監査指摘事項の適正化を実行し、行政指導の指示通りに訂正したのですが、その箇所について再度指摘を受けた実経験から述べさせて戴きました。

もちろんながら、行政に確認をしましたが、「当時はそうだったが今はこうだから」の一点張りでありました。変更せよとの文書もなく、推察するに大阪府から東大阪市への権限委譲の関係もあったと思います。


平成23年度以前については、是正措置が無い状態で指摘事項放置状態だったと思います。平成21年、22年、23年と3年続けて同様箇所指摘があるというのは、法人対応の問題もありますし、指摘した後の是正措置指導が甘いという問題もあると考えております。

指摘部分がクリティカルなものなのか、そうでないのかの差はあると思いますが、監査講評メモに毎年同じ記載を続けるのもどうなのかな?と。それまでの法人がだらしなかったのもありますが、行政ももう少し厳しく是正措置を指導すべきではないか?と考えます。そのやりとりもあって、「あいつら(東大阪市)は社会福祉法人をよう潰さんから、ええんや」みたいな声が上がり、行政指導の軽視に繋がると観ています。


各問題点には記事にありますように個別記載する予定です。その際にまた何かありましたらよろしくお願い致します。
川口 泰弘 URL 2013/04/13(Sat) 編集
無題
あのさ、勘違いしてるように思えるんだけど…
あくまでも「手前のところで手前自身のしりぬぐいをする」ってのは社会の基本じゃないのかね。


監査に立ち会ったならわかるだろうが、実態は検査とか指導の類だよな、アレ。
基本は抽出検査、おたくさんもそうじゃなかったのかね。
短時間で法人のすべてを見切ることができないのは、まあ当たり前のことだわな、役人だってコンピュータじゃねえんだから。

基本スタンスは「自分とこで確認してください、役所はサポートします」ってことでしょ。
第一義的には施設を運営する法人さんがしっかりやんなきゃ、当たり前のことだよね。
「法人指導に関しての結論は、指摘はするけどお咎めなし。」ってそりゃそうでしょ。
「行政が指導しないからうちはよくならない」って公に言ってみな、お前が言うなってことになるだろ。
一般の人へのサービスの一端は担っているけれども、会社だもの。
会社の中のことは会社でやってくださいよ、当たり前のこと。
そんなとこまで役所がいちいち言ってたら、めちゃくちゃ大きな政府だろ。
そこまでやれっていうなら、べらぼうに高い税金がもっと高くなるだけだよ。

おたくは役人じゃないんだろ。
是正したければ役人として役所に入って是正したらどうなのかね。
なんでそれをしないで、延々と文句ばっかり言ってるのさ。
だから政治家ってのは嫌われるんだよ、口ばっかだから。
あnたはまだなってないみたいだけどねえ…

なれない理由もあるってこと、自覚して精進しな。
少なくとも現状じゃ絶対に当選しないと思ってるよ。





あとさ、地震直後に更新して「今日は奇しくも自治会総会でして、出来ればその時に縄手南校区における防災訓練実施の嘆願をしたいと考えていた矢先のこの地震。」という自慢するのはやめな。
「自身は楽しいもの」って言ってそうだたき食らってたやつと大差ないぜ、格好悪いだろ。
岸本信勝 2013/04/13(Sat) 編集
コメントありがとうございます
岸本様。
度々ご指摘ありがとうございます。


社会福祉法人の場合は国からの補助金で運営されており、そのため「自分で稼ぐ必要が無い」という部分があります。(利用者数を常に定員数確保するというのが、資金集めに街灯すると思いますが)株式会社などでは資金集めも大事な仕事ですが、社会福祉法人では資金は毎月利用者数に応じて降りてくるため、自分のところだけでなく行政指導も欠かせないと考えております。


もちろんですが、社会福祉法人にも監事監査がありまして、その監査結果を行政に提出する義務があります。


「自分とこで確認してください、役所はサポートします。会社の中のことは会社でやってくださいよ、当たり前のこと。」はもちろんその通りであると思います。ただ、血税から補助金というカタチで資金が降りてくるので、「行政が指導しないからうちはよくならない」ではなく、血税の遣われ方について監査しただけで終わるのではなく適正化についても徹底した姿勢を行政に求めているということをご理解戴きたいと思います。


役所の外から声を上げても内部には響かないかもしれませんが、それでも私は他の社会福祉法人の関係者の方々とお話している中で、行政指導の在り方や障がい者支援の在り方に関する意見を出し続けたいと考えております。


地震については自慢という思いは一切ありません。東日本大震災の復興支援ボランティアを終え活動報告を行なっていた際に感じた防災における無関心、いざ起こってからでないと考え出さないということを実体験しているからこそ、記事に記載しました。


防災意識が最も高まるのは事が発生した時であります。地震キタ!これで防災が言いやすくなる!という解釈ではなく、地震が実際に起こりました。今回は幸いながら軽微でしたが、東南海・南海や上町断層、生駒断層がいつ揺れるかは分からないから、その時を想定して訓練を行っておいたほうが、生命や財産を守ることに繋がりませんか?と申し上げたい。
今まで具体的な町内防災訓練実施も無かった地域ですので、キッカケとか機会とかチャンスとか記載すれば語弊があるかもしれませんが、前向きにとらえて欲しいと思います。


川口 泰弘 URL 2013/04/13(Sat) 編集
プロフィール
名前:
川口やすひろ
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/05/21
自己紹介:
【連絡先】
事務所電話:05058489605
事務所FAX:02046679016

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