❏ 加納小学校にて獅子舞演舞
8年間続いている獅子舞演舞について。
当時6年生で獅子舞を観ていた子どもたちが、文化伝統保存会の青年部に入ってくるまでになってきているという、継続・持続していくことの成果が現れ始めていると感じた。
どの世界でも後継者育成ということは課題だが、加納事例では
・出張獅子舞を子どもたちに見てもらう。
・祭りの日に神社周辺を登校すると、天狗にお祓い(頭を叩いてもらう)をしてもらう
など、地元と祭りが融合している中で後継者たちに活動を披露するということが自然発生的(もちろん経緯は苦難の道であったそうだ)に実現できている。
それは小学校だけにとどまらず、盾津東中学校での奉納演舞なども通じて、とぎれとぎれになっていないことが条件的に満たされていた。
奉納演舞に同行していた青年部の10代の子たちは、盾津東のOBだ。
笛を吹いている子も、獅子舞を担当する子もOBである。
こういった地域行事は、昔は地域に溶け込んでいて自然発生的に後継者たちに披露できていたのだが、いつしか意図的に後継者たちに披露して繋ぎ止めていかなければならない時代となった。
その時代変遷に柔軟に対応できているのは、文化伝統保存会・地元小学校・地元中学校などとのつながりは、子ども育成会やPTAを通じて日頃の地域活動から培われたものだと思う。
いきなり実現するものではなく、日頃の地道な活動が「祭り」という舞台で見事に表層まで出てくるのだ。
表層だけ観ていたら、「加納文化伝統保存会は若手登用に成功している」という結果だけを見てしまうがために、長年の地道な努力の結晶がにじみ出ているというところを後継者に悩む地域団体に先ずは理解してもらうことが先決だ。
❏ 若手に思い切って「任せる」という甲斐性・度量
祭りの進行を16時間に亘って密着していて、文化伝統保存会長の指示に即時にテキパキ!とはいかないもどかしさを感じた。
若手の「だらだら感」がどうしても出てしまう。
観ていて、もっとテキパキ迅速にできないものか?と思うところも多々あったが、文化伝統保存会長はじっと辛抱強く待つ。
数分程経って、若手が行動を開始する。
通常であれば、ムラの御大将が一喝し、若手が舌打ちをしながら「だらだら感」丸出しで動く風景だ。私も地域活動を見てきて、そういう風景はいやというほど見てきた。
若手に「任せる」という甲斐性・度量はかなりの忍耐力を要すると共に、有る一定の許容力を持たなければとてもではないけれど実現できないことだと、改めて思う。
その中で、比較的テキパキと動き始め、取り仕切る若手が出てきて、次代の幹部になっていく。
今年の自治会副会長と歓談していた中で、どれだけアルコールを入れてもまったくといって酔えない、という、上に立つ責任者の重圧を肌で感じた。
祭りで一番こわいのは、言うまでもなく事故だ。
今年はだんじり系統の死亡事故が多発している。
3日間続く祭りで事故があれば、即刻祭りは終了となる。
その汚名はその当時の責任者に永遠と残って語り継がれてしまう。それがムラの祭りというものだ。
だからこそ、責任者たちは緊張感を持って、テキパキと動かない若手に余計にイライラしてしまうのか?と思っていたが、ジッと待つ。これはその人の度量だと思う。
若手に「任せる」
責任者は「責任をとる」
若手に華を持たせる
責任者は影で支える
その緊張感と想いを勘の良い若手は敏感に察している。
そうやって年数を重ねていって、次代の責任者が育っていく。
責任者が前にしゃしゃり出てくる場合は、事があった場合と挨拶の時くらい。
後は、若手に。
加納の場合は、青年部役員の腕章をつけた若手が多く居て、その腕章の重みを早い時期から実感している。
その腕章が、「会長」や「副会長」のようなたすきに変わるのが、世代交代なのだと思う。
❏ 役割を定める
何でもそうだが、役割をきちんと定めてお願いされると、YESかNOか返事をしやすい。
取り敢えず祭りやから来てくれ、的な招集がかかると、集まるは集まるが、不平不満が出やすいものだ。
加納事例を分析すると、
・各自治会
・PTA
・子ども会
・防犯
・文化伝統保存会
他、様々な地域団体が連携しており、「役割が定まっている」
事前協議と打ち合わせに途方も無い時間をかけて会議を重ねているのが、実感される。
事前にきまっている役割通り、祭りを進行していく中で、文化伝統保存会が潤滑油的にマネジメントを担う。
文化伝統保存会には自治会関係者やPTA関係者も居て、ほとんどが重複だ。
文化伝統保存会のみの所属は、若手が多い。
文化伝統保存会と祭りを核にして、地域団体との結びつきを果たし、若手が自治会や地域団体の担い手になっていく。きっかけとなって機能している。
役割が定まっているので、やるべきこと・やらなければあかんことは明確だ。
それは祭り当日だけでなく、事前協議や打ち合わせ会議でも現れる。
このあたりは一朝一夕で成せることではない、ということ。
成し遂げれば、各々が自覚を持って役割を果たしていく体制が構築できる。
だんじりでの自治会会長は、PTAや女性部と文化伝統保存会との間に居た。
自治会副会長は、文化伝統保存会の役員も兼務である。だんじりの指揮を執っていた。手にしていたハンドマイクは休憩中の社務所でも電源が入ったままになって置いてあった。
ちなみに東大阪市伝統の「顧問」「相談役」というたすきは存在しなかった。
私は各地域でいやというほど顧問だの相談役だののたすきをかけた御大将を見てきたのだが。
❏ 仕事によって地域活動は異なるのか?
自営業者が比率的に多い。
自治会役員になる場合は、自営業者がメインで構成されることが多い。
それ以外だと、サラリーマンリタイア組などになってくる。
加納事例を見ると、若手の中でも学生比率が高く、比較的時間に融通のきく学生の活用を自然発生的に取り込んでいる。
高校生から大学生がメインである。
その後、卒業して出て行ったとしても、祭りの時は戻ってくるなどの光景も見られる。
地元で自営業メインの若手がつなぐ。
主力の見方を変えるだけで、かなり違ってくるものだと思う。
❏ けじめがついている
22時になった時点で高校生は強制解散となる。残る者はおらず皆家に変える。
他の者は周囲清掃を念入りに行う。
ここでも役割が定まっていて、事前に決められている場所を各々が清掃に向かう。
全て終わるのが23時頃。
神社周辺はゴミひとつない状態となり、いつまでもだらだら残る者も居なかった。
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